2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

(33)久方の光のどけき春の日に

百人一首33番歌久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ古今集・春下84久方の=天空に関する語の枕詞 しづ心=静かで落ち着いた心 のどかな春の陽がさす日に どうしてこうも心あわただしく桜は散っているのだろう 百人一首の中で 6つある桜の歌…

(32)山川に 風のかけたる しがらみは

百人一首32番歌山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり古今集・秋下303 詞書「志賀の山越えにてよめる」志賀越道=京都と滋賀の境の山道山川=やまがわ=山中を流れる川しがらみ=柵by 春道列樹(はるみちのつらき) 生年未詳~920 物部氏…

(31)朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに

百人一首31番歌朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪古今集・冬332 詞書「大和国にまかれりける時に雪の降りけるを見てよめる」「吉野の里」は大和国の枕詞 by 坂上是則(さかのうえのこれのり) 生没年未詳 坂上田村麻呂の末裔 36歌仙の一人。…

(30)有明の つれなく見えし 別れより

百人一首30番歌有明の つれなく見えし 別れより 暁(あかつき)ばかり 憂きものはなし古今集・恋歌3・625by 壬生忠岑(みぶのただみね) 生没年未詳 41番歌の作者・壬生忠見の父 有明の月がそっけない顔をして出ている時に冷たくされて別れて以来、暁ほど辛く…

(29)心あてに 折らばや折らむ 初霜の

百人一首29番歌心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどわせる 白菊の花 古今集・秋下277by 凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね) 生没年未詳 「古今集」の選者4人の中の一人 36歌仙の一人 あてずっぽうに、もし折るならば折ってみようか。 初霜が降りた中、…

(28)山里は 冬ぞ寂しさ まさりける

百人一首28番歌山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も 枯れぬと思へば古今集・巻6・冬315by 源宗于(みなもとのむねゆき) 生年未詳~939 光孝天皇の孫 父・是忠親王により臣籍降下 36歌仙の一人 源宗于は、天皇の孫でありながら、官位に恵まれず正四位下…

(27)みかの原 わきて流るるいづみ川

百人一首27番歌みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらん新古今集・恋1996by 中納言兼輔(藤原兼輔) 877~933 36歌仙のひとり 紫式部の曾祖父(祖父の父) 藤原北家 瓶原(みかの原)を分けて湧いて流れる泉川、その川の名のように「いつみ」た…

(26)小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば

百人一首26番歌小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ拾遺集・雑秋・1128by 貞信公=藤原忠平 880~949 藤原道長の曾祖父 小倉山の峰のもみじ葉、もし心があるならば、もう一度天皇がおいでになるその日まで、どうか美しいまま散らない…

(25)名にし負はば 逢坂山の さねかずら

百人一首25番歌名にし負はば 逢坂山のさねかずら 人に知られで くるよしもがな後撰集・恋3・700by 三条右大臣=藤原定方 873~932 紫式部の曾祖父(祖母の父) 醍醐天皇の外叔父 「逢坂山のさねかずら」(逢って寝る)という名にあやかって、葛(かづら)のつるを…

(24)このたびは 幣もとりあえず手向山

百人一首24番歌このたびは 幣(ぬさ)も取りあえず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦 神のまにまに古今集・巻9・羈旅(きりょ)420by 菅家(かんけ)=菅原道真 845~903 この度は、急な旅で幣の準備もできませんでした。この錦のように美しい紅葉を幣として旅の安全を…