百人一首32番歌
山川に
風のかけたる
しがらみは
流れもあへぬ
紅葉なりけり
古今集・秋下303
詞書「志賀の山越えにてよめる」
志賀越道=京都と滋賀の境の山道
山川=やまがわ=山中を流れる川
しがらみ=柵
by 春道列樹(はるみちのつらき)
生年未詳~920
物部氏の末裔
36歌仙のひとり。
~🍁~🍁~🍁~
山中の川に風が掛けた柵(しがらみ)は、流れようとして流れきれずにいる紅葉なのです
~🍁~🍁~🍁~
山道にて、風が吹いて、紅葉が柵のように川を堰き止めている、とても美しい風景ですね。
作者は、主税頭(ちからのかみ、諸国の租税を司る役所の長官)を務めた春道新名(にいな)の子、物部氏の末裔ということですが、詳しくは不明です。
醍醐天皇の時代の人です。
。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ *+:。:+* ゚ ゜゚ *+:。
古今集詞書
「志賀の山越え」=
北白川から大津の崇福寺(すうふくじ)への参拝道
崇福寺=
天智天皇の勅願寺、志賀寺
物部氏の末裔が、天智天皇の勅願寺への参拝道にて詠んだのでしょうか。
懐古して詠んだのでしょうか。