2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

(42)契りきな かたみに袖を 絞りつつ

百人一首42番歌契(ちぎ)りきな かたみに袖を 絞りつつ 末の松山 浪(なみ)越さじとは「後拾遺集」恋4-770by 清原元輔 908~990 清少納言の父 36番歌・深養父(ふかやぶ)の孫 36歌仙の一人 「後撰集」撰者の一人 約束しましたよね、涙に濡れた袖を絞り合いながら、…

(41)恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり

百人一首41番歌恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか「拾遺集」恋1-621by 壬生忠見(みぶのただみ) 生没年不詳 30番歌・壬生忠岑の子 恋してるという私の噂は、早くも世間に立ってしまいました。人に知られないようにひそかに思い始…

番外メモ 天徳内裏歌合

番外メモ 天徳内裏歌合 (てんとくだいりうたあわせ)= 天暦御時歌合 (てんりゃくおんときうたあわせ)右チーム、左チームに分かれて、歌を詠む方人(かたうど)、自分方の歌を褒めたり相手方の歌を批判したりする念人など、一首ごとに勝負をする歌合。960…

(40)忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は

百人一首40番歌 忍ぶれど 色に出(い)でにけり 我が恋は 物や思ふと 人の問ふまで「拾遺集」恋-622by 平 兼盛 生年未詳~990年 光孝平氏 光孝天皇の曾孫(または玄孫) 駿河守(するがのかみ) 36歌仙の一人 心に秘めて忍んできたけれど、とうとう顔色に出てしま…

(39)浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど

百人一首39番歌 浅茅生(あさぢふ)の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき「後撰集」巻9・恋577by 参議等(源等、みなもとのひとし) 880~951 嵯峨天皇の曾孫。 嵯峨源氏 浅茅(あさぢ、あさじ)=チガヤ、草の名前 小野=野原 篠=細かい竹浅茅…

番外メモ 百人一首の大輔

或る日、縁あって、蓮の台(はちすのうてな)を検索したら、和歌がヒットしました。 暁の はちすのうてな いろいろに しみまさるなる 糸たけの声作者は、「大輔」のようです。 ・・百人一首38番歌の作者・右近が仕えた穏子皇后の息子(保明親王)の恋人も大輔…

(38)忘らるる 身をば思はず 誓いてし

百人一首38番歌忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな 「拾遺集」巻14・恋4・870by 右近 生没年未詳 右近少将季縄(すえなわ)の娘 忘れられる私の身のことは何とも思いません。忘れないと神に誓ったのに誓いを破った罰を受けて奪われてし…

(37)白露に 風の吹きしく 秋の野は

百人一首37番歌白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 「後撰集」秋中308by 文屋朝康(ふんやのあさやす) 生没年未詳 六歌仙の一人 22番歌の作者・文屋康秀の子 草葉の白露に風がしきりに吹きつける秋の野は、まるで、貫き通した緒がほど…

(36)夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを

百人一首36番歌夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ 古今集巻3・夏・166 by 清原深養父(きよはらのふかやぶ) 生没年未詳 42番歌人・清原元輔の祖父 62番歌人・清少納言の曾祖父 古今集の詞書 「月のおもしろかりける夜、あかつきがた…

(35)人はいさ 心も知らず 古里は

百人一首35番歌人はいさ 心も知らず 古里は 花ぞ昔の 香ににほひける 古今集・春上42by 紀貫之 868頃~945 36歌仙の一人 古今集撰者の一人 古今集仮名序を書いた人 「土佐日記」の著者 人の心はさあどうでしょうね、判りません。けれど昔なじみのこの里では、…

番外メモ 能「高砂」と和歌

「高砂」は、 室町時代の 世阿弥の能「高砂や~・・」が有名です。 能「高砂」は、古くは「相生(あいおい)」や「相生松」と呼ばれたそうです。 世阿弥は、 「古今集」仮名序にある一節「高砂、住の江の松も、相生のように覚え」を題材として「高砂」を作り出したそうで…

(34)誰をかも 知る人にせむ 高砂の

百人一首34番歌誰をかも 知る人にせむ 高砂(たかさご)の 松も昔の 友ならなくに古今集・巻17・雑上909by 藤原興風(おきかぜ) 生没年不詳 36歌仙の一人 いったい誰を親しい友としたらよいのだろうか。高砂の松でさえ、昔からの友ではないのに。 (年老いて…