百人一首30番歌
有明の
つれなく見えし
別れより
暁(あかつき)ばかり
憂きものはなし
古今集・恋歌3・625
by 壬生忠岑(みぶのただみね)
生没年未詳
41番歌の作者・壬生忠見の父
有明の月がそっけない顔をして出ている時に冷たくされて別れて以来、暁ほど辛く切ないものはありません。
暁(あかつき)=夜が明けようとしているほの暗い時。
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東雲(しののめ)=東の空が少しずつ明るくなる時。
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曙(あけぼの)=夜明けの空が明るくなってきた時。
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朝ぼらけ=ほのぼのと夜が明けてくる時
壬生忠岑は、勅撰集に90首近く入集しています。
29番歌の凡河内躬恒と同じく
古今集選者の一人で、
36歌仙の一人です。
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「西本願寺本忠岑集」に、
「陽成院の御使にて甲斐にまかりて云々」の詞書で、
121句から成る長歌を詠んでいるそうです。
石和駅近くの甲斐奈神社に、当時の甲斐の国府跡碑があるそうです。
(「ハンドブック百人一首の旅」より)