(53)嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は

百人一首53番歌

嘆きつつ
ひとり寝る夜の
明くる間は
いかに久しき
ものとかは知る

拾遺集」恋4-912

by 右大将道綱母
937頃~995頃
蜻蛉日記」の作者
18歳位頃に藤原兼家と結婚して翌年道綱を出産。


嘆きながら1人寝する夜、夜明けまでがどんなに長く辛いことか、あなたには分からないでしょう。


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藤原兼家は、妻が沢山いて、妻達の邸宅を周り歩いていました。
蜻蛉日記」には、当時のそういった夫婦関係が描かれています。

53番歌は、道綱を生んで間もない頃の歌で「蜻蛉日記」の中から「拾遺集」に選ばれています。


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蜻蛉日記、現代語訳を読みました。
愚痴ブログのようで面白かったです。

夫兼家とのやりとりは政治の話は全くでてこないので拍子抜けしてしまいました。書かなかっただけでしょうけれど。

周りの人々との付き合いには繊細に気を配りながら暮らし、息子道綱が天然痘にかかって治ったのは本当に良かったと書いてありました。

兼家が子供の教育を全て母親任せにしていることには驚きました。
同居していないから当然なのですが、男性が育児休暇を取る今とは随分違います。
ボヤキ嘆きながらしっかり育て、母と子の親子関係が良好な様子が読み取れます。


後味良くスッキリするという小説ではありませんが、
描写が上手で、当時の様子が目に浮かぶ様に垣間見えて楽しめました。

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