(5)奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の

百人一首5番歌

奥山に
紅葉踏み分け 鳴く鹿の
声聞くときぞ
秋は悲しき

by 猿丸大夫
さるまるのたいふ、さるまるだゆう

生没年不明、実体不明


奥山に、敷きつめられたもみじ、愛する者を思って鳴く鹿、とても淋しい情景が浮かんで悲しくなります。

この歌は、「古今和歌集」には、読み人知らず(作者不明)となってますが、
「猿丸という名前で、大夫という役職の者」
という意味のペンネームが採用されたようです。


大夫
(たいふ、たゆう、だいぶ)
元は、古代中国の身分呼称のひとつで、領地をもった貴族、官位五位の称。
古代に、五位の者が儀式やそれに伴う芸能を司ったことから、転じて、神事芸能の神職や芸能人の称となったそうです。